住宅ニーズを再確認 令和31月埼玉新聞に掲載

 シロアリなど害虫防除と床下防湿工事の専門業者として、1967年に東京・小石川で創業。本部業務センター(さいたま市見沼区)を拠点に宇都宮や前橋をはじめ、8年前から京都・宇治にも営業所を構え、飛躍を続けてきた。

 しかし昨年は新型コロナウイルスの流行で、緊急事態宣言が出た3~5月は営業活動がほぼ停止。一時は大きな売り上げダウンも覚悟したが、ゴールデンウイークから梅雨時にかけて(シロアリが)約10年ぶりに大量発生。「感染対策を十分に行った上でお宅訪問するので、特に敬遠されることなく作業できた。前年比95%くらいは維持できた」と胸をなで下ろす。

 コロナ禍で新たな発見もあった。多くの人が外出自粛で在宅時間が増え、自宅のさまざまな場所に注意を払うようになり、シロアリなどの駆除作業以外でも、住宅修理や保全、倉庫や庭の掃除などの住まいに関する相談事が多く寄せられたという。「コロナの影響で社員の働き方も大きな変革を迫られたが、お客さんの住宅に関するニーズが多岐にわたることが再確認でき、大きな手応えと自信につながった」と振り返る。

 2018年7月から、同社が特許を持つモニタリング器具「床下見張り番」を使用した「シロアリモニタリング新工法」に力を注ぐ。シロアリのほか、湿気や腐朽、水漏れなど床下全般のトラブルを早期に発見する革新的な取り組みだ。

 今年は依頼者自身がホームページ上で見積りを簡単に取ることができるシステム構築を同時進行で進める。従来は作業員が実際に床下にもぐり、修繕個所をチェックしてからの見積り・工事だったが、今後は築年数や床下構造(コンクリートか土か)などの数項目を入力するだけですぐに計算できるようホームページの利便性の向上に努めていく。「コロナ禍でも何ができるか。課題も多いが合理化を戦略的に進めたい」と意欲的だ。
 
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万棟以上の施工実績というスケールメリットを活かし、定期点検や庭先の清掃など総合住宅サービスを提案する。加速する高齢化に対しても草刈りや倉庫の整理など小回りの利く親身な対応を心掛ける。

 事業承継も視野に「どんな時も前に進む船にしておかなければ」と将来を見据える。今春で創業50年。「事業の集大成として全力で仕事に取り組んでいきたい」