床下全般のさまざまなトラブルに対応できる「シロアリモニタリング新工法」を開発

1967年、害虫防除・床下防湿工事の専門業者として東京・小石川で創業。シロアリ防除業の先駆けとして、さいたま市の本部業務センターを足掛かりに川越、宇都宮、前橋など関東圏を拠点に事業を拡大してきた。

6年前には関西圏(京都・宇治)に初進出を果たすなど、成長の歩みを止めることなく走り続けている。 業界を取り巻く環境にも、柔軟に対応してきた。90年代後半から、建築構造の大幅な変化でベタ基礎(床下コンクリート製)住宅が増加し、薬剤による土壌処理が減少。

住宅市場の限られたパイの中での競争が強いられる中、床下全般のさまざまなトラブルに対応できる「シロアリモニタリング新工法」を開発。25年かけて培ってきたノウハウなどをデータベース化し、昨年は新規事業としてスタートさせるなど、会社の転機となる1年を迎えた。

新事業は、同社が特許を持つモニタリング器具「床下見張り番」を使用し、施工後もシロアリを監視していく画期的なシステム。10年間の保証書を発行し、2年に一度の床下侵入点検を行って住まいを守っていく。環境に配慮して床下への薬剤使用量を大幅にカットし、20年間の無料点検サービスも保証する。

「1か月でほぼ100件ペース、年間で1,000件の達成を目指して、これに力を入れて展開していきたい。何とか1万件にできれば、業界も変わっていくのではないか」と手ごたえを感じている。

新事業以外だけでなく、シロアリ業者として文化財保護にも光を当てていくつもりだ。国宝には指定されないような小さな街の神社、古民家などを守っていくのが目的。学者と協力してNPO「社寺古民家等劣化診断協会」を3月までに立ち上げる予定だ。

8年前から、年間20~30件ペースで関東一円の寺社などの文化財をボランティアで検査してきたノウハウを活かし、専門業者としての視点から検査を行っていく。 18~25歳まで、京都や奈良の神社・仏閣を回ってきたのが今の仕事を始める原点。

「私がやっていることが、社員が文化財と向き合う自信にもなっている。住まいの安心安全を守り、最後のライフワークにしたい」と意気込む。